ついて行くこと

「エマウスの弟子」。 エマウスの道、 イエスと一緒に歩いてるのに気づかない弟子。 とにかく家にお留まりくださいと招く。 遠慮がちに、彼は家に入る。 この小さな光で、 思い出すこと。今、 じゃない。 でもたぶん、 あとで。 シモン・ペトロがイエスに言…

香油

香油の器は忘れられて、 それでいい。 女が、 かがみ込んでいる。 そこには、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロがいた。 イエスのためにそこで夕食が用意され、マルタは給仕をしていた。ラザロは、イエスと共に食事の席に着いた人々の中にいた。その…

枝の日

聖なる町にイエスは入る。 預言者のように、救い主のように、王のように。 けれど彼は、謙遜な、平和の王として、そこにゆく。 マルコによる福音書 1:一行がエルサレムに近づいて、オリーブ山のふもとにあるベトファゲとベタニアにさしかかったとき、イエス…

聖堂

右は1878(明治11)年当時の東京のカトリック築地教会。http://tsukijicatholic.jp/tsukijiseidou.htm 煉瓦造りと説明されている。この絵がほんとうならゴシック建築の煉瓦ミニチュアってことになる。 19世紀のフランス人宣教師たちの意気込みを感じ…

天使の羽

記憶ってぜんぜん確かじゃないこと判明。 マドレーヌ教会の天使が、神田教会の天使に似てると言ったわたしは間違ってました。 こちら、カトリック神田教会(東京)↓ http://www.pauline.or.jp/church/church05.html せいぜい、羽がちょっとばかし長いという…

Eglise de la Madeleine

今日の一句 歴史って知れば知るほど泣けてくる。http://www.insecula.com/salle/MS01186.html

受難予告

写真はシナイの荒野を行く遊牧民と家畜。 イエスの変容の場面は、 マルコ、マタイ、ルカ三つの福音書に描かれている。 この三つに共通しているのは、すべて、 この箇所が、「死(受難)と復活」の予告にはさまれているという点。 神の子、人の子としての「イ…

出エジプトと福音

小休止しようと思ったけど、もう少し続けてみる。 マタイの福音だけでなく、 他の福音書も、特にパウロの手紙とか、 もちろん黙示録も、だからすべて新約聖書は、 旧約聖書の背景があって成り立つ「書」なのである。 よく新約聖書だけの聖書を持ち歩く人がい…

解放を語ることば

マタイ2章16−18、ヘロデが子どもを皆殺しにする場面と、モーセの天敵、ファラオが子どもを皆殺しにする場面がパラレルだが、その次、エジプトからの帰国場面の比較。 モーセとイエスというよりも、ここでは、モーセとヨゼフという感じ。 しかし、構造的…

東方で見た星

マタイ2章1−12つづき 10学者たちはその星を見て喜びにあふれた。 原体験ということかな。 喜びに包まれているという経験。 その前の箇所をみると「東方で見た星」に囲まれる構造が浮き上がる。 Mt2章1−9 ■ユダヤ人の王として生まれた方はどこか?…

まさかを語ること

マタイ1−2章、つづき。 神が私たちとともにおられる。 この「まさか」を言う、処女懐胎。 ヨゼフはダビデの家系に属し、その妻のマリアからイエス誕生。 うすいピンク色は私たち(ダビデの血を引く律法の民)。 マリアは濃いピンク色。 同系色だが、私たち…

信じていることを言うこと

マタイ福音書1章前半は系図、後半はイエス誕生。 ナザレのイエスは復活して、今も生きている。 福音記者マタイは、彼の生きた信仰共同体に、この「信」を宣言、説教するために、 手元にある「マルコ福音書+Quelle資料+口頭伝承」をもとにしながら、 彼が…

神があなたたちとともに

馬小屋の件もあり、聖書はきちんと読もうと心に決めた新年。 マタイの福音書は、その章のはじめ、ヨセフに告げられた「インマヌエル、神があなたたちとともに」(1.23)から、復活後「世の終わりまであなたたちとともにいる」(28.20)と弟子たちに…

いのちにある

Etre en vie. わたしは「いのちに」ある(je suis en vie)。わたしがこの「世界」(au monde)に来るために、「わたしが存在する」(j'existe)ために、わたしは「いのちにある」ということで充分である。 Paul Ricoeur, Philosophie de la volonte I, p.385 新年…

祈る木 ⑧

所作の連鎖 もしも他で主題として取り扱われていなければ*1、さらに続けて、所作は記憶であるということについて言わねばならないだろう。つまり所作が千年に渡って養われた仕草を使い続けているということについて。―― たとえば、手をあげ、地に口づけする…

祈る木 ⑦

中心を探す。 木が木としてすっくと立っていられるということ。 土、根、幹、枝、枝に広がるさらなる枝、 その枝から伸び上がる葉、葉のそばに開く花、 そういうの、ぜんぶがあって、木となっているわけだけれど、 その木の中心というのは、いったいどこなの…

祈る木 ⑥

祈りにおいて、そこに置かれた「もの」はからだの一部、延長。 わたしのまわりにはいろんなものが置かれているけど、 自分が置いたものもあるし、 はじめからあったものもあるし、 それとわたしがどう絡み合ってるか、 祈りの生活には、 かなり本質的なこと…

祈る木 ⑤

この写真なら、 内陣の外側、周回廊の壁にほどこされた雰囲気が、 もっとよく見えるかな。 廻る祈り。 回廊を黙って歩いて、祈る。 時々思い出すんだけど、 友がわたしに話してくれた話。 彼女はある大きな仕事を終えて、 心身ともに疲れきった後、 祈りの家…

祈る木 ④

天使、羊飼い、そして主役の登場。 ヨセフ、マリア、幼子イエス。 パリ・ノートルダムの内陣のまわりは、 イエスの生涯が彫刻で描かれている。 一般の信者は昔、この内陣に入ることができなかった。 そのかわりに、そのまわりを取り囲む彫刻を見て、 イエス…

祈る木 ③

二匹の動物のむこうに、羊飼いが寒くてうずくまってる。 昨日の天使の反対がわに、この動物たちがいる。 おもわず、馬小屋と書いたけど、 La creche、「うまや」としか言いようがない。 こういうのがいわゆる、 Traditions(複数形!)というわけなんだろな…

祈る木 ②

パリ・ノートルダム寺院の天使。 毎年、趣向をこらした馬小屋イエスの誕生場面が置かれる。 今年はなんだかシンプルだなぁと思っていたら、 背景の壁彫刻がそのまま見えるようになってて、 400年前のその彫刻と、現代の彫像が同時に見える。 それはそれで…

ここに居てよい

id:Emmausさんのブログから・・・ ここに居てよいというほんとうの安心に押されて気持ちがすごくいい。 http://d.hatena.ne.jp/Emmaus/20051218 窓の外を見ると、驚くほど大きな星がみえる。 目を凝らしてみると、星型☆をしているようにもみえる。 そうか、これ…

祈る木 ①

クリスマスが来る。 来るというくらいだからまだ来ていない。 だから、待っている。 毎年、同じ時期になぜ待つのか。 同じ物語を繰り返し聞き、 同じ登場人物を見る。 羊飼い、天使、三人の博士、ヨゼフ、マリア、ヨハネ、 エリザベト、ザカリア。 泊まる宿…

聖書を読む

id:momolineさんのブログから・・・ 「聖書を読む」という問いについて考えておられる。 難しい問いだけど、こういう問いかけをしてくださることに感謝! http://d.hatena.ne.jp/momoline/20051216/1134754402 もちろん聖書は、テクストである。 わたしはそのテ…

いつもの風景にサパンとくると、ノエル。 お馴染みパリ・ノートル・ダム寺院。 今日は、この聖堂のなかで、 ここは「わたしの家か」と心のなかの声を聴く。 宗教改革以前に建てられたこの大聖堂、12世紀。 ここは、わたしの家、だ・・・ 宗教改革後、反宗教改…

La religion

赤ちゃんの時にキリスト教の洗礼を受け、 義務教育でカテケージスを受け、 初聖体、信仰宣言と一連の信仰教育をとりあえず済ませるのが13歳。 私の友だち、MP(たぶん40歳くらい、フランス人)さんは、その一連の信仰教育を受け、 もっとほんもののス…

信じること

ケロさんと話してて、そういえば、あのCATECHISMUS CATHOLICE ECCLESIAE『カトリック教会のカテキズム』は各国の独自のカテキズムの「参考書」だったんだよねと思い出し、フランスではあの後、何が発行されたんだっけと振り返ったところ、思い出した。歴史を…

ロヨラのイグナチオ

2006年は、 ロヨラのイグナチオの没後500周年。 フランシスコ・ザビエルの生誕450周年。 ピエール・フェヴルの生誕450周年。 というわけで、 大々的にジュビレ2006年を祝う。 www.amisdansleseigneur.com 彼ら三人は1530年にパリで学生…

信頼

Emmaus'さんのブログから・・・ 呼びかけの声とともにいる信頼は従順にまさる大きさになってゆく。 http://d.hatena.ne.jp/Emmaus/20051130 今日のミサの第一朗読はロマ書だったんだけど、 その箇所のちょっと前に(以下引用)こんなことが書いてあって、 ちょ…

宗教性

Cathedorale Notre-Dame de Paris パリ・ノートルダム寺院とか言ったりする。 そういえばなんで寺院なんだろ・・・。 ま、それはいいとして。 前に両親が来て、ここに連れてきたんだけど、 三人で座って天井とか眺めてたら、 ちょうどある女性が叫びだし、まる…