神があなたたちとともに


馬小屋の件もあり、聖書はきちんと読もうと心に決めた新年。
マタイの福音書は、その章のはじめ、ヨセフに告げられた「インマヌエル、神があなたたちとともに」(1.23)から、復活後「世の終わりまであなたたちとともにいる」(28.20)と弟子たちに言い渡したキリストの言葉まで一貫して、イエス・キリストによって神が到来したことついて語る。この人を通して、旧約の預言者たちが語り継いできたことが成就される。
マタイは、ミドラーシュ*1によってこれを記した。プロローグの1,2章を見ただけでも、旧約からの引用が物凄い。


こんどの日曜日まで、ゆっくり読んでいく。

マタイによる福音書1章


1:アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリスト系図。2:アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを、3:ユダはタマルによってペレツとゼラを、ペレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、4:アラムはアミナダブを、アミナダブはナフションを、ナフションはサルモンを、5:サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイを、6:エッサイはダビデ王をもうけた。ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、7:ソロモンはレハブアムを、レハブアムはアビヤを、アビヤはアサを、8:アサはヨシャファトを、ヨシャファトはヨラムを、ヨラムはウジヤを、9:ウジヤはヨタムを、ヨタムはアハズを、アハズはヒゼキヤを、10:ヒゼキヤはマナセを、マナセはアモスを、アモスはヨシヤを、11:ヨシヤは、バビロンへ移住させられたころ、エコンヤとその兄弟たちをもうけた。12:バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、13:ゼルバベルはアビウドを、アビウドはエリアキムを、エリアキムはアゾルを、14:アゾルはサドクを、サドクはアキムを、アキムはエリウドを、15:エリウドはエレアザルを、エレアザルはマタンを、マタンはヤコブを、16:ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。17:こうして、全部合わせると、アブラハムからダビデまで十四代ダビデからバビロンへの移住まで十四代、バビロンへ移されてからキリストまでが十四代である。


18:イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19:夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20:このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21:マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」22:このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。23:「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。24:ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、25:男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。

マタイによる福音書2章


1:イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、2:言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」3:これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。4:王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。5:彼らは言った。「ユダヤベツレヘムです。預言者がこう書いています。6:『ユダの地、ベツレヘムよ、/お前はユダの指導者たちの中で/決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、/わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」7:そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。8:そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。9:彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。10:学者たちはその星を見て喜びにあふれた。11:家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。12:ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。


13:占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」14:ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、15:ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
16:さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。17:こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。 18:「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。ラケルは子供たちのことで泣き、/慰めてもらおうともしない、/子供たちがもういないから。」


19:ヘロデが死ぬと、主の天使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて、20:言った。「起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは、死んでしまった。」21:そこで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地へ帰って来た。 22:しかし、アルケラオが父ヘロデの跡を継いでユダヤを支配していると聞き、そこに行くことを恐れた。ところが、夢でお告げがあったので、ガリラヤ地方に引きこもり、23:ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレの人と呼ばれる」と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった。

*1:ユダヤ教の「説教」】解釈、注釈:律法学者と呼ばれる人たちは、旧約聖書、トーラーを引用し、それに解釈、注釈、コメントを与えるという方法によって説教を書き綴った。