まさかを語ること

karpos2006-01-08



マタイ1−2章、つづき。


神が私たちとともにおられる。
この「まさか」を言う、処女懐胎
ヨゼフはダビデの家系に属し、その妻のマリアからイエス誕生。
うすいピンク色は私たち(ダビデの血を引く律法の民)。
マリアは濃いピンク色。
同系色だが、私たち≡マリア。
マリアは私たちのようでありながら、私たちはマリアではない。
天使、
エスという名、
預言の成就、
インマヌエル、神は我らとともに、
ヨセフとマリアの伝統にのっとった婚姻関係*1
これらエレメントの奥に、ことばを失っている記者のXがある。


神があなたたちとともにおられる。
占星術*2の学者たちが東の方からエルサレムにやって来て、
「東の方でユダヤ人の王の星を見たのだけど、どこにおいでになるか」とヘロデ王に問う。
ヘロデ王も他の人も不安を抱く。


(なんで、異邦人がやって来て、王に会いたいと言うのか?)
(王は、わたしなのに。)


祭司長や律法学者は集められ、聖書をひきながら「ベツレヘムです」と言う。
占星術の学者は、ヘロデ王に送り出され出発。
星が先立って進み、幼子のいる場所に止まった。
学者たちは、その星を見て喜びにあふれた。
家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。


占星術の学者たちは、うすいピンク色の私たちの外側にあるブルー。
濃いピンクのマリアと異邦人のブルーが、イエスの誕生に立ち会う。


黄金、乳香、没薬(もつやく)を奉げる彼ら。
黄金は王のしるし、
乳香は伝統宗教においていつも神をなだめる奉げの香としてたかれていた、神的象徴。
没薬は死者を葬るときの香、人間性の象徴。
共同体の外部の者たちが、実に、その真実を表象する。


律法に中心化された宗教内部の人間たちには、
なぜ、自分たち以外の者たちが最初に自分たちの神に出会えるのか理解できないだろう。
その「まさか」を、自分自身に突きつけてみる、息を呑んでいる記者のXがここにもある。


異邦人たちは、夢のお告げ*3で、
「ヘロデのところへ帰るな」と言われ、
別の道を通って、自分たちの国へ帰っていった。
自分たちの国。
律法の国と、異邦人の国、差異化。


「まさか」というのは、id:eireneさんのところのサイトで知った「毎日新聞」の記事から拝借。

12月19日夕、東京・渋谷のセルリアンタワーホテル。ヒルズ族の象徴の1人になったサイバーエージェント藤田晋社長(32)は届けさせた書類にサインを済ませ、15分ほど遅れて新卒採用予定者の研修に現れた。


売上400億円超、個人資産は500億円。女優の奥菜恵さんとの結婚と離婚でも騒がれた。社長自ら最終5次面接で選んだ100人に与えた課題は、就職活動する学生を自社に引きつけるサイトの作成とプレゼンテーション。優勝チームは自宅に招待する。


「人生には三つの坂があります。上り坂と下り坂。社長、あと一つが分かりますか」。男性内定者がマイクを向ける。ヒット曲が頭に浮かび、「さくら坂かな」と答えた。「惜しい。答えは『まさか』です」


内定者が続ける。「まさかこんな大きな仕事ができるとか、そんな『まさか』がこの会社では実現できることを表現したい」。背後のモニターには彼らが蹴った大手企業の一覧が映し出された。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/tatenarabi/news/20051230k0000m040014000c.html


この「まさか」が示す「驚き」はとてもピンとくる。たぶんこういう感じなんだと思う。
ただ、そう言って、目を輝かせたり、息を呑んでるわたしは、マリアや異邦人と一緒に居る。

*1:すべて旧約聖書に見られるターム。

*2:こちらのタームは、当時の超ハイテク科学とでも言おうか。

*3:これも伝統宗教のエレメント。