指し示す

初代教会の人々は迫害を逃れるためにカタコンブに隠れ潜んで彼ら独自の共同の祈りを捧げていたという。
この壁画は3世紀プリスキラのカタコンベ、聖マリアとその子イエス、そして、左側の預言者を描いたもの。
預言者は指の先にある「星」を指し示している。イエスはこのダビデの星のもと生まれることになっていた、と言わんばかりに・・・
降誕の情景を描く聖画は数え切れぬほどあるが、このような素朴で、単純で、質素な絵は何か原点に帰らされる気持ちになる。
わたしは、どこから来て、どこに居たのか。
誰に愛され、誰に見出され、誰と出会っていくのか。
そんなことを問われるような気持ちになる。
そういえばヨハネの誕生は彼の誕生そのものがイエスを指し示すことを意味していたんだ。
生まれるということがそのまま指し示すということにつながる生き方があることを教えてくれる。