La reincarnation


輪廻の思想がどうしても理解できないって友が言う。
わたしがこのテーブルに成っちゃうなんてと首ふる友。
カルポスはなんだかんだ言って、
腹の底に入ってるものがあって結局そうだと思ってる、
とかって言うと、そりゃ、復活の思想とはあわないじゃんと。
自分が自分でなくなっちゃうんだよ。
うむ、それでガッテンした。
自分がテーブルに成ったら自分は消える、
友はそう思ってるんだね。
カルポスにはテーブルと自分の間にそれほどの距離がないんだ。
テーブルの思いをカルポスの思いに重ね合わせちゃえる。
テーブルの思い?それなによ?
だって、素敵な料理をのせて、みんな囲んで、彼女は奉仕してるでしょ。
彼女ってなによ・・・。
とはいえほんとうにテーブルに成っちゃうかどうかなんてわからない。
それにそんなことはそれほどどうってこともないんだ。
ただ違うのは友とカルポスにまとわりつく歴史。
こればかりは、誰にも、どうすることもできない≪差異≫。
モノと人との関係性が距離が時間性が身体に完全に刻まれている。
終いには、ダライ・ラマが自分の生まれ変わりの子どもを見つけたとか、
それが政治的策略のために二人出現してしまって混乱してるとか、
皮相なお話。