マリアと語り

乳離れした後、ハンナは三歳の雄牛一頭、麦粉を一エファ、ぶどう酒の革袋を一つ携え、その子を連れてシロの主の家に上って行った。この子は幼子にすぎなかったが、人々は雄牛を屠り、その子をエリのもとに連れて行った。ハンナは言った。「祭司様、あなたは生きておられます。わたしは、ここであなたのそばに立って主に祈っていたあの女です。わたしはこの子を授かるようにと祈り、主はわたしが願ったことをかなえてくださいました。わたしは、この子を主にゆだねます。この子は生涯、主にゆだねられた者です。」彼らはそこで主を礼拝した。ハンナは祈って言った。「主にあってわたしの心は喜び/主にあってわたしは角を高く上げる。聖なる方は主のみ。あなたと並ぶ者はだれもいない。岩と頼むのはわたしたちの神のみ。
サムエル上1章24−2章1a、2

そこで、マリアは言った。
「わたしの魂は主をあがめ、
わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます。
身分の低い、この主のはしためにも
目を留めてくださったからです。
今から後、いつの世の人も、わたしを幸いな者と言うでしょう、
力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。
その御名は尊く、その憐れみは代々に限りなく、主を畏れる者に及びます。
主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、
権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、
飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。
その僕イスラエルを受け入れて、憐れみをお忘れになりません、
わたしたちの先祖におっしゃったとおり、
アブラハムとその子孫に対してとこしえに。」
マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、
自分の家に帰った。
ルカによる福音書1章46−56

その僕イスラエル。わたしたちの先祖。
アブラハムとその子孫に対してとこしえに。
なんというくくりだろ。
小さな背中に連なる果てしない過去。
過去の枠組みにどっぷり浸かるあなたそのままです。
一人の女の救いはすべての過去を包括する。
そして、未来の誉れを予告する。
きっとあなたの自意識の波状が、過去の枠組みを解放するのだと思います。
小さな胸に擁かれた愛こそが、過去からの遺産だから。
わたしたちは、マリアとともにこれを語る。