世界

クロード・モネ
Photo par Henri Manuel
Portrait de Claude Monet(1840-1926)
devant les tabeaux des Nymphéas dans son grand atelier, à Grvrtny.Vers1922
モネがあの無限大∞の部屋のために描いた「蓮の池」の前に立っているところ。休憩をしているのか煙草を持っている。L’オランジェリ美術館は改装され美しい蓮が甦っているわけだけど、モネ自身は設置されたあの美術館を見ていないんだよね。白黒、セピア色のモネの仕事場、もしもカラーであればスゴイだろな。どれほどの色のなかにこの太った髭おじさんがたたずんでいるか。蓮の池に囲まれた自分自身はきっと、再構成された蓮の池のオブジェとして第三者の目から見られているという状態なのではないだろか。
このグラン・アトリエは現在、ジヴェルニーのブティックとして機能してて、そこでさまざまなモネ・グッズを買い求めることができる。写真の中の大きなソファーは今もブティックのなかに置かれていて、誰でも座れるようになっている。100年近く前の、モネが座った、大きなソファーにからだを沈めると、絵描きのしばしの休息がどれほどの安らぎであるかを感じ取ることが出来る。
蓮の池という現・世界をもう一つの世界に置き換える。
アブストラクトな風景はもう頭のなかに生まれつつある。
・・・というところに、はやいとこ行きたい(願望)。