徴税人

軛を負わすこと、指をさすこと/呪いの言葉をはくことを/あなたの中から取り去るなら飢えている人に心を配り/苦しめられている人の願いを満たすなら/あなたの光は、闇の中に輝き出で/あなたを包む闇は、真昼のよ
うになる。主は常にあなたを導き/焼けつく地であなたの渇きをいやし/骨に力を与えてくださる。あなたは潤された園、水の涸れない泉となる。人々はあなたの古い廃虚を築き直し/あなたは代々の礎を据え直す。人はあなたを「城壁の破れを直す者」と呼び/「道を直して、人を再び住まわせる者」と呼ぶ。安息日に歩き回ることをやめ/わたしの聖なる日にしたい事をするのをやめ/安息日を喜びの日と呼び/主の聖日を尊ぶべき日と呼び/これを尊び、旅をするのをやめ/したいことをし続けず、取り引きを慎むならそのとき、あなたは主を喜びとする。わたしはあなたに地の聖なる高台を支配させ/父祖ヤコブの嗣業を享受させる。主の口がこう宣言される。
イザヤ書58章9b−14

その後、イエスは出て行って、レビという徴税人が収税所に座っているのを見て、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った。そして、自分の家でイエスのために盛大な宴会を催した。そこには徴税人やほかの人々が大勢いて、一緒に席に着いていた。ファリサイ派の人々やその派の律法学者たちはつぶやいて、イエスの弟子たちに言った。「なぜ、あなたたちは、徴税人や罪人などと一緒に飲んだり食べたりするのか。」イエスはお答えになった。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。」
ルカによる福音書5章27−32

さらに、ローマ。
雨のバチカン、寒い。
永遠を約束するからと集められた多額な資金と簡単に言っても、
果たしてそれがどれほどのものだったかは、さっぱりわからないわたし。
無知。
わたしにとって、この王宮を歩くことは、
ただ観光目的ということだけではなく、
また総本山にお参りするということだけでもなく、
わたし、というわけのわからない何者かを、別の何者かに変容させるということなのだ。
わたしは確かに、昔のわたしではなくなっていることを、
こうしてローマに来て、確かめる。
毎度、毎度。
・・・
イグナチオ。
彼もローマに来た。
7000通の手紙を世界の兄弟に向けて書いた部屋。
ザビエルの手。
切り取られたその手が語るのは、この手が触れた日本。
確かにあなたはわたしの故郷に来た。
わたしがそれを証しする。