Toussaint


朝焼け。
夜通し寝ずの番をして待った夜警が迎える朝は、
どれほど輝いていることだろう。



空の雲が、光の森のよう。
苦しい時は、朝を待つように夜のなかにいる。

11月1日は「La Toussaint 諸聖人の祝日」


フランス語「La Toussaint」は、「Tousすべて」の「Saint天に昇った聖人」という意。
一般に、死者の月とか、死者を想起する月とか言われる(11月2日は特に死者を想起する日だし)。でも実は、よく考えてみれば、これは「生きている者たちの記念日」なのだ。死者とは確かに、死んでここにいない人、この世にはいない人である。けれども、天に昇った死者とこの世にいる私たちはつながっていて、いのちの交流が行われているという「信」に根ざしているならば、彼らは死を通っても生きているということになる(ここに目に見えるかたちでは存在しないけれど)。地上の私たちを励まし続け、見守っている彼らは生きており、この日は「生きている者の記念日」ということになる。歴史の中に名前が残っている聖人だけではない。名前の残っていない、志を持って人間の尊厳を生き抜いたすべての人、彼らとこの地上に残された私たちとの関係のなかに「生きている」という恩寵がはたらく。


だから、諸聖人というよりも、すべての聖人の祝日。
そして彼らは今も生きている。