律法

エスはそこを立ち去って、ユダヤ地方とヨルダン川の向こう側に行かれた。群衆がまた集まって来たので、イエスは再びいつものように教えておられた。ファリサイ派の人々が近寄って、「夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか」と尋ねた。イエスを試そうとしたのである。イエスは、「モーセはあなたたちに何と命じたか」と問い返された。彼らは、「モーセは、離縁状を書いて離縁することを許しました」と言った。イエスは言われた。「あなたたちの心が頑固なので、このような掟をモーセは書いたのだ。しかし、天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった。それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる。だから二人はもはや別々ではなく、一体である。従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」家に戻ってから、弟子たちがまたこのことについて尋ねた。イエスは言われた。「妻を離縁して他の女を妻にする者は、妻に対して姦通の罪を犯すことになる。夫を離縁して他の男を夫にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」

マルコによる福音書10章1−12

ファリサイ人とイエスの律法対決。

ファリサイ人の問い「夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか?」

エスの問い「モーセはあなたたちに何と命じたか?」

ファリサイ人の答え「モーセは、離縁状を書いて離縁することを許しました」
(すかさず律法引用)。

ファリサイ人の引用。

1:人が妻をめとり、その夫となってから、妻に何か恥ずべきことを見いだし、気に入らなくなったときは、離縁状を書いて彼女の手に渡し、家を去らせる。2:その女が家を出て行き、別の人の妻となり、3:次の夫も彼女を嫌って離縁状を書き、それを手に渡して家を去らせるか、あるいは彼女をめとって妻とした次の夫が死んだならば、4:彼女は汚されているのだから、彼女を去らせた最初の夫は、彼女を再び妻にすることはできない。これは主の御前にいとうべきことである。あなたの神、主が嗣業として与えられる土地を罪で汚してはならない。

申命記24章1−4

エスの答え「あなたたちの心が頑固なので、このような掟をモーセは書いたのだ」
(律法の奥にあるものを見る)。

エスの引用。

27:神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。
男と女に創造された。

創世記1章27

2:男と女に創造された。創造の日に、彼らを祝福されて、人と名付けられた。

創世記5章2

24:こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。

創世記2章24

家に帰ってまたも弟子から尋ねられたイエスは、「妻を離縁して他の女を妻にする者は、妻に対して姦通の罪を犯すことになる。夫を離縁して他の男を夫にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」と答える。

この箇所は4福音書すべてに記されてる。

書かれた法、語られた法。

刻み込まれて動くことのない殻のことば、

耳から聞こえる新しい、けど、消えてなくなりそうなことば。

律法に書き込まれた一句一句を、書いてあるから字句どおりに守る者。

律法に書き込まれた一句一句を、愛しているから考える者。

新しいいのちに自由にされた者が、

愛に根ざした新しい生きざまを模索する。

削られながら呵責を超える。

エスがどういう空間に位置してるかを洞察する。