パンと魚

愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。
ヨハネの手紙4章7−10

エスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。そのうち、時もだいぶたったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れた所で、時間もだいぶたちました。人々を解散させてください。そうすれば、自分で周りの里や村へ、何か食べる物を買いに行くでしょう。」これに対してイエスは、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」とお答えになった。弟子たちは、「わたしたちが二百デナリオンものパンを買って来て、みんなに食べさせるのですか」と言った。イエスは言われた。「パンは幾つあるのか。見て来なさい。」弟子たちは確かめて来て、言った。「五つあります。それに魚が二匹です。」そこで、イエスは弟子たちに、皆を組に分けて、青草の上に座らせるようにお命じになった。人々は、百人、五十人ずつまとまって腰を下ろした。イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて、弟子たちに渡しては配らせ、二匹の魚も皆に分配された。すべての人が食べて満腹した。そして、パンの屑と魚の残りを集めると、十二の籠にいっぱいになった。パンを食べた人は男が五千人であった。
マルコによる福音書6章34−44

わたしをわたしに閉じ込めるわたしから解き放たれよ。
l'audace et la confiance 大胆と信頼。
どっかで聞いたことある人、いるかな。
でもほんとうにそうなんだよね。
彼は、このモットーのプロだよね。
弟子たちは、水入らずで彼と一緒にいたかった。誰にも邪魔されないで、一緒に楽しいひとときを過ごしたかった。自分たちだけの空間に彼を置いておきたかった。
けれど、彼は誰にもつかまらない。
人波をくぐりぬけ、ゆくべきところへ往く人。
彼はそうしてわたしに言うんだ。
あなたには、ほら、そのパンと魚があるでしょ。さあ、与えにゆきなさい。
またさらに続けて言う。
もしも足りなければ、このわたしを差し出したらいい。
その時、わたしはあなたと一緒にいる。