昨日の続き:脳死臓器移植


Église et bioéthique

フランスカトリック司教協議会が開いている倫理ブログでの投稿にも臓器摘出・移植に関する記事があって、そこでも問題提起されている:François Blin氏はそもそも二つの問題があるとして1)死の基準と、2)同意の問題を挙げている。昨年、日本で「脳死は死」としたその基準に問題を呈しているというわけだ。そしてあくまでも摘出される側の生前の意思を尊重すべきとしていた日本の前の法案に残されていた「本人同意」の問題。
また、 Solange Grosbuis氏は、臓器提供は、無償性、同意の意思をもつ自由な提供であるとし、同意の問題に関して、「摘出の拒否の意思」を明確にできるような仕組みを作る必要があるのではないか?とか、自分の希望を変える可能性も加味したカードに記入しておくよう体系的な仕組みもいるのでは?と言っている。

こうしてみると、日本の前の法案の方がこれらの懸念を解消できるような気もしなくない。ここまでやってきたフランスも「このままでいいのか?」というような疑問を抱き始めているのでは?という感じがする。

・・・というわけで、2004年以降5年以上に渡る生命倫理の法案見直し議論も終盤を迎え(5年も議論したんだからそろそろこのあたりで決着つけようよ、みたいな感じになるんだろうかね)、いよいよ、Lois de bioéthique : la révision 2010、2010年生命倫理法がそろそろお出ましするはずの季節。

Lois de bioéthique : la révision 2010-2011 - Dossiers - La Documentation française

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