アパート2

パイプでできてる簡単な電子レンジ台を組み立てて、
天板と中板と下板が同じ大きさとばかり思い、
天板を下板のところに無理やりはめこんだので、
ベニヤの板紙がはがれてしまう。
これ不良品ですよと電話する。
この時点で、私は天板を下板と思い込んでいる。
電話の向こうの方は慌ててじゃあ新しいのと交換しますと仰る。
自動車がないから持ってきてください、
またおかしかったら困るから作ってきてくださいと迫る。
天板は51センチ。
いや、下板も51センチでしたよ、
と言ったところで自信がなくなるが電話を切った。
良心の呵責が、不良品だと思いさっさと収めた箱の中を確かめた方がいいと迫る。
確かめてみたところ、
やはり、下板は40センチだった。
だから無理やりはめこまなくてもちゃんとはまる。
良心の呵責が、電話をして謝ったほうがいいと迫る。
これをもう一回作らねばならぬのかと思うと、
良心の呵責をねじこみたくなる。
しかし、電話した。
電話の向こうの方はニヤっとした息をもらして、
こういう客はよくある客だと思ったと思う。
めったにないか・・・
リビングはずいぶん住まいらしくなってきた。