想い起こす1


死者の語りについて、質問された。
オカルトな話じゃなくて。
彼らの語りを聴くってことが可能なのか、どうなのか。
死者に語ってもらう、ということ。
死者は今、実際には語ることができないけど、
そのかわりに、
わたしがその人のことを思い出しながら語ると、
なぜかそこには、
死んでるのに生きてる「場」が生まれるというか。
宗教経験を語ってもらうとき、
まったく意識しなかったにもかかわらず、
なぜか身近な人の死について語らざるを得なくなるということがある。
どうしてそういう話になってしまうのか、自分でもわからずに。
語る、ということは、
想い起こすという作業なしにはできないから。
宗教経験を想い起こしていくと、
いのちと死のところまで、つき当たることになる。