Geant


ここのところ、日本人ご一行さまと過してた。
うちのフランス人が、その様子を見て、「karposは、日本じゃかなりな大女だろう」と噂してたんだよと話してくれた。いや、確かに、今回のご一行さまは揃って粒ぞろいにお小さい女性ばかり・・・。一緒に歩いてると、わたし一人が大女で、とっても不思議な集団にみえる。
でも、現代の日本でわたしなんかそれほど目立って大女だとは言えないと思う。
日本に行ったことのあるフランス人はそのあたりを知らないフランス人に説明してくれた、ということらしいが、ま、それだけ、やはり遠い国なのであります。
日本人ご一行さまに同行して、初の通訳体験をしてみた。ワイヤレス・マイクを使ってそれぞれのイヤホンに声を送り込む。
実は、いつか一度やってみたかった(笑)。それで、なんととても面白かった。自分が昔、このイヤホン通訳機に頼ってたということもあって、どうすれば、聞きやすい通訳になるか?というのを昔から考えていた。
ご一行さまに、なかなか聞きやすかったわよーと言われ、ひそかに嬉しかった。良かったと言われたこと以上に、自分が思ってたことがけっこう当たってたのがいちばん嬉しかった。
結局のところ、このご一行さまたちは、少なからずフランス語をご存知な方々である。習得経験がある。でも、それが講演会ともなると、話が早くてそのスピードについていけないのだ。
私自身も語学学習で経験したいちばんやっかいなことは、結局、理解力とスピードとの間にあるズレをどう埋めるかという点だった。たぶん、彼女たちも、そのあたりが難点なのではないかと思い、彼女たちがフランス語で理解するような感じで日本語を聞く、というふうにできないかと・・・だから、日本語としてはけっこういい加減かもしれないが、講演者とわたしとの距離はかなり近かったと思う。
で、彼女たちは、時々肉声として耳から入ってくるフランス語とイヤホンの中のマイクを通した日本語の両方を聞いて、彼女らの頭で理解する、ということになる。ま、これが、フランス語をぜんぜん知らない人にとってどうか?は、わからないけど。
しかし、翻訳問題がこんなに面白いとは思ってもなかった。
福音宣教は翻訳なしにして行われることはなかったし、いまだに要は翻訳問題なのだ。
フランシスコ・ザビエルにヤジローがくっついていたように、つねに、仲介者がいる。この役割はほんと見逃せない。