手ぬぐい

karpos2005-03-24

さて、過越祭の前のことである。イエスは、この世から父のもとへ移る御自分の時が来たことを悟り、世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた。夕食のときであった。既に悪魔は、イスカリオテのシモンの子ユダに、イエスを裏切る考えを抱かせていた。イエスは、父がすべてを御自分の手にゆだねられたこと、また、御自分が神のもとから来て、神のもとに帰ろうとしていることを悟り、食事の席から立ち上がって上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。それから、たらいに水をくんで弟子たちの足を洗い、腰にまとった手ぬぐいでふき始められた。シモン・ペトロのところに来ると、ペトロは、「主よ、あなたがわたしの足を洗ってくださるのですか」と言った。イエスは答えて、「わたしのしていることは、今あなたには分かるまいが、後で、分かるようになる」と言われた。ペトロが、「わたしの足など、決して洗わないでください」と言うと、イエスは、「もしわたしがあなたを洗わないなら、あなたはわたしと何のかかわりもないことになる」と答えられた。そこでシモン・ペトロが言った。「主よ、足だけでなく、手も頭も。」イエスは言われた。「既に体を洗った者は、全身清いのだから、足だけ洗えばよい。あなたがたは清いのだが、皆が清いわけではない。」イエスは、御自分を裏切ろうとしている者がだれであるかを知っておられた。それで、「皆が清いわけではない」と言われたのである。さて、イエスは、弟子たちの足を洗ってしまうと、上着を着て、再び席に着いて言われた。「わたしがあなたがたにしたことが分かるか。あなたがたは、わたしを『先生』とか『主』とか呼ぶ。そのように言うのは正しい。わたしはそうである。ところで、主であり、師であるわたしがあなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない。わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、模範を示したのである。
ヨハネによる福音書13章1−15

食事がなされていた間に、
食事から立ち上がり、上着を脱ぐ。
そして、手ぬぐいを取って、腰に巻きつけた。
それから、たらいに水を入れる。
そして、弟子たちの足を洗っては、
巻きつけた手ぬぐいで拭き始めた*1
・・・
最後の晩餐を記憶する今夜が、来た。
過ぎ越しの食事。
ユダヤ伝統のもっとも大事なこの「時」に、
彼が、彼のやり方で弟子たちを招く。
毎日毎日、我らは食事をする。
毎年毎年、過ぎ越しの食事をする。
エスが招いた最後の食事は最後だから、一回きり。
あの日のパンが、今日、わたしの手のなかにある。
・・・
祭壇は、イエスとともに過ごした食事のテーブル、つまり食卓。
彼は彼のやり方で我らに触れる。
ペトロの足を洗って、手ぬぐいで拭いて、
ヨハネの足を洗って、手ぬぐいで拭いて。。。
・・・
北門からシャルトルのふところに突然入る。
右手にまわり撮影。
旧約世界を示す北のバラ窓を仰ぎながら、中央の祭壇。

*1:小林訳、岩波