愛国

今年度は一ヶ月に一度くらいは日本雑誌にも目を通そうとさっそく、
パリ日本文化会館Oops...へ。
eireneさんのところで話題になっていた、
夏の選挙の「情報作戦大勝利」分析されていますね。ふむ。
月刊現代、11月号
http://moura.jp/scoop-e/mgendai/index.html
それも面白かったけど、中曽根元首相への田原総一郎さんインタビュに目が止まる。

田原:僕がわからないのは戦後、日本から抜け落ちた部分って何かということです。
中曽根:一番言われてきたのは「愛国心」という言葉ですよ。
田原:そうですか!サッカーでもオリンピックでも「ニッポン、ニッポン」って若者達ものすごい応援ですよ。
中曽根:いや、それは本当の愛国心ではない。国を守るために死ぬ、命を捨てるという気持ちですよ。世論調査をみると、侵略してきた場合にどうするかというので、武器を持って戦うというのは30%もいない。あとは「逃げる」とか、無責任なものが非常に多い。
月刊現代、2005年11月号P.55

この後、韓・中・日の三国首脳会議を頻繁に、そういう形を一日でもはやくつくって、中国の大陸型経済推進と日本の海洋型経済推進の両方がトレンドを持って協力したら良い。中国、韓国に対し「敵視政策」してる日本の政治勢力を「極右」と批判し「いやな時代を思い出す」と付け加える。
なるほど、愛国心は他国の敵視政策とは袂を分かつのですね。
しかしこのインタビューで中曽根さんがしきりに憲法改正問題と教育基本法を同時に持ち出しているところがどうもよくわからない。それが「愛国」というタームでつながっているのだろうか?
自分の国を愛するのは当然である。
しかし、じゃあ、他国が責めてきた時、どうするか?
武器を持って戦うという態度が本当の愛国なのか?
そのまえに、他国が責めてくる前に、
するべきことがありすぎるほど、ある。
自国を愛するということと、他国と関係を持つということの間には、
果てしない事象が広がっているように見える。
個人のレベル、国家のレベル、文化、伝統、歴史、宗教・・・


別の雑誌に「紳士・原敬」の特集があり、氏の一句。

わけ入りし霞の奥も霞かな 原敬