香口けゑとの関係

Twitterでのつぶやきが落語に集中してしまっている。

いつからか・・・

去年の今ゴロ、お母ちゃんが悪くなって死んで、一昨年の今ゴロ、お父ちゃんが悪くなって死んで、その一年前くらいからだな、寄席に通い始めたのは。

小学生の頃の土曜日にやってた吉本新喜劇の中に落語の時間があって、それは必ず聞いてた。ずっと気になっていたけど、聞くのは飛行機に乗っている時ぐらいだったかな。けど、衝撃的な出会いが、その飛行機寄席であって、あれはJAL寄席だったな。「真夜中の襲名」三遊亭白鳥師匠。上野の動物園の夜、有名なパンダに比べて、ぜんぜん人気のない白黒うさぎが大名跡を襲名するって噺だった。その時、「白鳥」という名前だけを頼りに、一度、寄席に本物を聞きに行きたいと思っていた。

その日が来たのは、妹のなおちゃんと一緒に池袋演芸場に行った時。たしか、文蔵師匠、百栄師匠、そして最後に現れたのが白鳥師匠だった。演目は「隅田川母娘」。

なおちゃんとお腹抱えて大笑いした。いや、大笑い大泣きした。

あの日から火がついた。寄席はわたしにとっていつしかミサになってしまった。

寄席では、客が一心不乱に噺家の語る世界を見ようとしている。物語は声とジェスチャーとでしか客側に伝達されないので、客が必死になるしかないのだ。見るともなく見つめ、聞くともなく聞く。そうやって、客は、世界の中に飛び込んでいく。まるでその世界の中に入って、自分も見ているかのように。のぞきカメラを見ているように。万華鏡を見ているように。

客は救いを求めて、噺を聞く。

今、住んでいる世界には救いがないから、新しい世界に救いを求めているんだ。

落語はほんとうの宗教を今も実践している。