今週のお題「2012年、夏の思い出」

ああ、20年ぶりで、この夏一ヶ月も広島にいた。

生まれてはじめて、とうろう流しというものに行った。
広島に生まれて広島で育って、広島のことは知ってるつもりだったが、
なんにも知らなかったな、って思ったよ。
ここは広島じゃない。ここはイベント会場だ。
外国人がいっぱい。
恋人同士?手をつなぎ、蒸し暑い夜風に吹かれながら、楽しそうに歩く。
これが広島かあ。
そうか、これが広島なのかあ。
ニューエイジの聖地がどういうものか分からないが、
私の中のニューエイジの聖地とは、こういうものを言うんじゃないかと思った。

ああ、ゆるすまじ原爆を、と歌った広島はもうない。
影まで燃え尽きた、と歌った8月の暑い日はない。
もうないんだ、そうだ、もう、終わったんだ。
悲しみは終わりなのか、悲しみは終わったほうがいいのか、
そうだ、終わったほうがいいに決まってるじゃないか!

じゃ、なんで、とうろう流しなんかに行ったんだ?
どんな世界が繰り広げられているか知ってたはずなのに。
知ってたはずだ、そうだ、知ってたのに・・・
広島のおばちゃんも、おじいちゃんも、あんなのには行かない。
けど、わたしは行ったんだ。
行かなきゃならなかったんだ。

広島の思い出。夏の思い出。