風景の音


風景を音楽にすることってできるのだろうか。
ヒーリング・ミュージックとか言って、
鳥のさえずりとか、水の音とかを入れて、気持ちのよろしい音楽、
あれを環境音楽とか言ったりするけど、風景の音楽じゃないだろうな。
あの手の音楽は癒されそうな特殊な環境を設定してるにすぎない。
逆にそういうのって「風景を作っている」音楽みたいな感じ。


夜行バスに乗るため梅田に向かう阪急電車の中で、
ヘッドホンから流れるAusの音を聴きながら、
今見ている風景の、
言ってみれば雑音の、
そのままを、
音楽にした感じだなって思った。
電車の中って、雑音だらけなわけだけど、
その雑音の中で、雑音に対して非常に親和性の高い音楽を聴くっていうのは、
実は、雑音から遮断するためのヘッドホンの意味をなしてない。
ふつう、ヘッドホンから流れてくる音楽は、
雑音から逃避させてくれるものじゃなくてはネ。

でも、風景を、ちゃんと風景として見るためには、
その風景から出てくる雑音もけっこう大切。
Ausを聴いていると、
夜に向かう阪急電車の中の、その微細なシワまでも見えてきて、きれいだった。
そして、ちょっと哀しかった。


エロクトロニック・ダンスというジャンルがあるらしい。
ベルギーのレーベルから出ている。
Sさんのお嬢さんがエレクトロをベルギーで創作されているのを思い出す。

LANG Remixed

LANG Remixed

タワーレコードで見つけた掘り出しもの。
でも、誰でもの音楽じゃない。


こんなふうに、行ったり、来たりの新学期が始まる。