風景の音
風景を音楽にすることってできるのだろうか。
ヒーリング・ミュージックとか言って、
鳥のさえずりとか、水の音とかを入れて、気持ちのよろしい音楽、
あれを環境音楽とか言ったりするけど、風景の音楽じゃないだろうな。
あの手の音楽は癒されそうな特殊な環境を設定してるにすぎない。
逆にそういうのって「風景を作っている」音楽みたいな感じ。
夜行バスに乗るため梅田に向かう阪急電車の中で、
ヘッドホンから流れるAusの音を聴きながら、
今見ている風景の、
言ってみれば雑音の、
そのままを、
音楽にした感じだなって思った。
電車の中って、雑音だらけなわけだけど、
その雑音の中で、雑音に対して非常に親和性の高い音楽を聴くっていうのは、
実は、雑音から遮断するためのヘッドホンの意味をなしてない。
ふつう、ヘッドホンから流れてくる音楽は、
雑音から逃避させてくれるものじゃなくてはネ。
でも、風景を、ちゃんと風景として見るためには、
その風景から出てくる雑音もけっこう大切。
Ausを聴いていると、
夜に向かう阪急電車の中の、その微細なシワまでも見えてきて、きれいだった。
そして、ちょっと哀しかった。
エロクトロニック・ダンスというジャンルがあるらしい。
ベルギーのレーベルから出ている。
Sさんのお嬢さんがエレクトロをベルギーで創作されているのを思い出す。
- アーティスト: aus
- 出版社/メーカー: PRECO RECORDS
- 発売日: 2008/03/12
- メディア: CD
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タワーレコードで見つけた掘り出しもの。
でも、誰でもの音楽じゃない。
こんなふうに、行ったり、来たりの新学期が始まる。