BEN-HUR
昔観たような観てないような自信がないんだけど今回しっかり観た。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2001/08/10
- メディア: DVD
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幼なじみの友情さえ見失ってしまうほどの国家権力への迎合、「ローマ帝国」って欲望のかたまり。
キリスト教ってそんな欲望の世界の、真っ只中に、ひっそりと、
しかし、逆らいのしるしとしてきっぱりと、存在するのだヨ。
グローバリゼーション、モンディアリゼーションって素晴らしいって賛美するだけが脳じゃないって、こういう映画を観るとつくづく思う。自分自身、かなりのそういう繁栄好きってところもあって、性質的にはそっちに寄ってしまう傾向があるのだが、ふと冷静になるといかにそれがつまらないものか、いかにそれが悲しいものか、ふさぎこんでしまうほどになる。ベン・ハーを観て、何度、涙にむせいだか・・・ジュダ・ベン・ハーが祖国を裏切れないって苦しむところ、神を捨てないってことがあまりにも自然なところ、そして、映画の端々にひっそりと登場する後姿のイエス・キリストの登場。
もうアンチ・グローバリゼーション側になろうかな。
もう一つ観たのがこれ。
[rakuten:book:12057783:detail]
ダイアナ・ロスのシュープリームス話をブロードウェイ化されたものが映画化。
歌が販売経路を通って売れるというプロセスにどれだけの人が泣いたり、笑ったりしているか。アメリカ社会の黒人たちの豪快な生きざまもそうだけど、歌うということがどういうことか、人間のどうしようもなさを叫びにしたような映画だった。これだって、グローバリゼーションじゃないでしょ、ソウルってのはこれだ!って教えてくれてる話だったと思うんだな。
売れるとか、売れないとかいって、人間が商品化されていく。自分たちはファミリーじゃないかって何度たしかめあったか。それでも、売れる方を人気を得る方を選んでいく。兄弟を裏切り、友人を切っていく。でも、最後はやっぱりほんものの歌を、この人にしか歌えない歌を、それがいちばんいいって言える境地に至るってことは、ほんとうに幸せなことなんだろう。
だから考えさせられる。
※付記
後のキリスト教は、=西洋=グローバリゼーション=征服=帝国って印象が強いんだよね。
そうじゃないんだってば!