垂乳女

karpos2007-07-06



写真は「垂乳女(たらちめ)」河瀬監督ご本人。河瀨直美 | 組画

・・・という
一つの映画で三つの賞を受賞された河瀬直美監督の「垂乳女(たらちめ)」観てきた。
久しぶりに30人くらいしか入れないミニ・シアターに行った→http://www.planetplusone.com/special/post_2.php
昨日の観客はわたしを入れて5〜6人。
懐かしいなぁ〜インディーな映画館というのはこういう雰囲気なのだよ。
それにしても「垂乳女(たらちめ)」、フランス・アルテと共同してるんですね。
そうそう、「Shadow/影」も同時上映だった。これも・・・
河瀬監督という方はこういう作品をこれまで何本も何本も撮っておられる。
おそらく眼も耳も身体も全部カメラと一体化という生活をされているんだろうな。
他の短編作品が観られなかったのが非常に残念。時間がどうしても足りない。
でも河瀬監督の一般上映される作品を理解するにはこれらの短編を観なければならぬのだろうな。
「垂乳女(たらちめ)」で一つだけ「なるほどな〜」としみじみ思ったシーンがあった。
それは河瀬監督がカメラをまわしているところを真正面から撮ったところ。
すごいよ。
カメラをまわしている彼女のからだ全体から彼女の感情が溢れている。
あの正直さがこういう映像になって立ち居出るのだなと思った。
解釈の主体というようなことを考えていた。
被写体が主役なのか、解釈者が主役なのか、その両方の接点のようなものが両方を刺激して、
さらなる主役を産んでいく。
終わりなき地平線、循環していく。
そういう意味で映画はここまで来てしまったんだな。すごいな。
セルフ・ドキュメンタリーについてはこちらが詳しい↓
「セルフ・ドキュメンタリーの起源と現在」那田尚史YIDFF: 刊行物: DocBox: #26
あと、「乳」のテーマに関しては実は旧約聖書を想像してしまっていた。
乳と蜜の流れる地。
大地。
女。
母。
胎盤を舐めたらちょっと血なまぐさくて温かかった(だったかな)って監督は言った。
そういう話をうちの人たちとしてたら、
動物は食べるのよって一人が言った。
そういう話だったのか・・・
つづく