ちっぽけな勇気

街を歩いてるとこんな曲が・・・

おれたちはちっぽけで、手のひらのなかに何もないけど、
でも、あきらめないから♪
尾崎をはじめて聞いたのもラジオでたまたま流れてた時だった。歌詞がそのまま入ってきて、音楽というよりも思わずその言葉に引き込まれた。時代、時代で若者の気持ちを歌った歌というのがあって、それはやはり「言葉」に現われ、耳にすんなり入って、心を突く。「ちっぽけな勇気」も街の小さな店の有線で流れていて、思わず買い物の手が止まった。はじめは歌詞のわかりやすすぎる品のないラップだなと思ったが、思わずそのわかりやすい歌詞を聞いていると、すごく深刻な気持ちになってきた。曲の終わりには自分が「この若いもんが、しっかりせい!」と説教じみた中年オバサンになってる感情を抱いているのに気がついた。その感情に気づいたとたん、さらに深刻な気持ちは増し、どれほど自分が若いと呼ばれる世代から離れてしまったかということをあらためて認識するに至った。
尾崎をはじめて聞いた時も実は深刻な気持ちになっていた。
言うに言えない共感を味わっていたんだ。
でも今回「ちっぽけな勇気」を同じ深刻さを違う感情で聞いてしまったと思った。たぶんわたしは年を取ったのだろう。絶対に共感することのできない若者という他者が目の前にやって来たのを知る。当たり前のことだけど、わたしはもはや若者ではない。