生まれること

ありがたい、とか、
うれしい、とか、
「い」で終われることばで生きられるっていいですねって言われた。
たのしい、とか、
さみしい、とか、
かなしい、もそう。
たとえそれが「さみしい」であっても、
会話のなかで言えるんだったら、
たしかにそれはとっても人間らしい生活のような気がする。
わたしはほんとうに「くるしい」よ、って言えたら、
言えるだけでも、言えたら。
イエス・キリストが生まれたから、ほんとうにうれしいって、
わたしの信の原点で声がする。
そしてそのときのわたしはものすごくくるしい状態だった。
たぶんそれは、イエスが生まれたというだけでなく、
わたしが生まれ変わった、ということだったのかもしれない。
もっと正確に言えば、
産み落とされた。
クリスマスだから、
エスといっしょに生まれることにしよう。
人生のすべての「い」といっしょに。
生まれて、
この世にずっと生まれ続けて、
はじめて見た光を見る。
明日の朝の太陽も、新しい瞳で見る。