海を越えて

 
 

夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。
弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、
「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。
エスはすぐ彼らに話しかけられた。
「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
すると、ペトロが答えた。
「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、
水の上を歩いてそちらに行かせてください。」
エスが「来なさい」と言われたので、
ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。
しかし、強い風に気がついて怖くなり、
沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。
エスはすぐに手を伸ばして捕まえ、
「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。
そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった(Mt14)。

水の上を行かせてください。
わたしをそちらへ行かせてください。
こんなふうに願うということも、望むということも、
ゆるされているという信を受けた。
問題は、
強い風がふいたとき、怖くなって揺さぶられるということ。
わたしが向かっているところはどこか?
何のために、
どこに行こうとしているのか?
この水の上を歩いて、
あなたのそばに行かせてくださいと、
願うということ、望むということ。