美しいということ


その時代、このように塗られていたはずといって復元するのと、
歳月が経って、当然色もあせてそのまま残っている(残す)のと、
どちらが美しいか、という話になると、
人それぞれってことになるんだろうけど、
これだけ大きな復元事業ともなってくるとその決断はけっこうたいへんだろう。
奈良の大仏さん、
薬師寺東塔と西塔。
そしてまた「どれだけもとのものが残っているか」という話にもなってくる。
仏像は彫像とは違う。
そこに仏さんがおられる。
魂が入れられているから。
すると、誰がその魂を入れたか?という話になる。
それは彫像を彫る職人が祈り、修行しながら入れる。
偶像崇拝ではなくイコンに似ている。
人間の祈りの向かう先、
だから、彫刻師も彫られた彫像を見るわたしも先を見る。
美しいということは、
その先にある憧れに似ているんだな。
愛に境界はない、今日のテーマ。