karpos2006-08-28



夕方5時前のヒカリ。
コンクリートの壁に閉ざされて、
目に見えない枠を通りぬけて、
この光がわたしにむかって言いたいことを聴く。
すぐに闇がくる。
日本は夏でも暗くなるのが早いから、この名残惜しい光がやさしく感じるのか。
一昨日、かの国で知り合った友だちがやってきて、ご飯を食べた。
で、日本語学習をがんばってる話を聴いた。
自分の自己紹介ができて、
お元気ですか、
いえ、あまり元気ではありません、
それはいけませんねぇ、
という会話を覚えていた。
前に会ったときはなんにも話せなかったのに。
おめでとう・・・
彼が言う日本とは、蝉の鳴き声、電柱、そしてもうひとつ、だって。
もうひとつって何だっけ、って思い出そうとしたけど、思い出せなかった。
わたしは、Silence(沈黙)じゃないの?って聴いたけど、そうじゃないらしい。
電柱のことで、Lainの一映像を送ってきた。
かの国でも翻訳されてるんだ、知らなかった。
日本にとって電柱は、風景なんだそうだ。
わたしも昔、電柱ばかり見てた頃があるけど、つまりそれは、
風景を見てたってこと。
蝉の鳴き声はわるいけどうるさいから嫌い。
高層ビルに蝉の鳴き声。
これが風景。
わたしの部屋の窓から見えるこれが、わたしの風景。