チャド


このニュース、先週から緊迫しております。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060420-00000011-san-int
スーダン、チャド緊迫 ダルフール和平さらに混沌

 【ロンドン=蔭山実】政情不安が続くアフリカ中部のチャドが隣国スーダンと断交し、緊張が高まっている。チャド反政府勢力が首都ヌジャメナに迫ったことに対し、同国のデビ大統領はスーダンを非難、「世界最悪の人道危機」(英議会報告書)と呼ばれるスーダン西部ダルフール紛争の和平協議から撤退を表明。同紛争解決の見通しがさらに不透明になったことに加え、国連のアナン事務総長は十七日、チャドの内戦激化が近隣諸国への紛争拡大につながりかねないと懸念を表明した。
 チャドでは五月三日に大統領選挙が予定され、デビ大統領が三選を目指している。これに対し、デビ政権打倒を掲げる反政府勢力「民主的変化のための共同戦線」(FUC)は四月に入り攻勢を強め、十三日には一時、首都中心部に迫ったと伝えられた。政府側によると、戦闘で市民を含む約四百人が死亡した。
 これを受けて、チャド政府は十四日、「反政府勢力の背後にスーダン政府がいる」とスーダンを激しく非難し、断交を発表。十六日には、アフリカ連合(AU)の仲介によりナイジェリアの首都アブジャで続けられているダルフール和平協議からの撤退を表明した。
 チャド反政府勢力の攻撃がここにきて再び激化した背景には、一九九〇年にクーデターで政権を握ったデビ大統領が昨年、三選を禁じた憲法を改正し、続投を図っていることへの反発があるとみられている。
 一方、スーダン政府は、ダルフール紛争で対立する自国内の反政府勢力「スーダン解放軍」(SLA)をデビ政権が支援しているとして、逆にチャドを非難。スーダンのバシル大統領は「チャドの不安定化は、スーダンの利益にならない」と反論した。
 両国の緊張は、国連が四月中に和平合意を求めているダルフール紛争解決のための国際的な仲介努力に決定的な打撃を与えかねない。
 デビ大統領は六月中にダルフール紛争が解決しなければ、チャド東部に避難している二十万人以上のスーダン難民を送還する可能性もちらつかせ、国際社会やスーダン側に圧力をかけている。
 しかし、懸念はダルフール紛争だけにとどまらないようだ。
 中央アフリカ共和国は十四日、チャドに連帯を示し、「断交の一歩手前の措置」として対スーダン国境封鎖を決めた。チャドのデビ大統領はロイター通信に対し、「スーダンは、サハラ以南のアフリカ諸国にイスラム原理主義を広めようとしている。チャドはそれを防ごうとしているのだ」と語っている。
 アナン国連事務総長は十七日、「チャドでさらに戦火が広がれば、連鎖反応で地域全体が不安定化する危険がある」と表明、アフリカ中部の不安定化につながりかねないとの強い懸念を示した。
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【用語解説】ダルフール紛争
 スーダン西部ダルフール地方で続く内戦。政府の支援を受けたアラブ人民兵が黒人住民を迫害しているとされる。正確な犠牲者数は不明だが、英議会報告書は30万人と推計している。2003年から激化し、04年4月に停戦に合意したものの、戦闘はやまず、120万人以上が家を追われた。国連安保理は、スーダン政府に人権侵害の停止を求める決議を数回にわたり採択している。
産経新聞) - 4月20日3時42分更新

この紛争のおおもとは原油にあるらしい・・・