Les noces de Figaro

karpos2006-04-09



火曜日「フィガロの結婚」をSとIと観に行った。
右は、ケルビーノがスザンヌ(椅子手前)とマダムの前でVoi, che sapete che cosa è amorを歌っているところ。これは上手い!惚れ惚れ!
衣装が全部、現代もので、少年ケルビーノは街でスケートボードに乗ってるような最近の少年として登場する。もちろんソプラノ女性が演じているんだけど、かなりパラドクサル。見た目が完全にそこいらへんの男の子で声がソプラノ。頭ではソプラノが歌ってるんだってわかってるしどう考えても女性でも役どころは・・・
しかしさすがに3時間45分は長い。立ち見に近い状態だったので少々疲れた、が、演奏内容はやはり素晴らしかったのでほんと満足。あと、後半に歌ばっかり入れて、モーツアルトは何をしたかったんだろうかと思ったり・・・。彼ももしかしてアーティキュレーションに疲れたとか?
昔から、どうしてケルビーノがマダムみたいなおばさんにドキドキするのかわからなかったけど、このような美しいマダムならわかるわかる。

レチタティーボの伴奏がハープシコードではない!おじさん風な格好をしたキーボード奏者が舞台に役者たちと一緒に出演し、そのソバでなんとなく伴奏をしてしまう。楽器はいわゆる安価なシンセサイザー。この写真では見えないが、舞台の天井近くに二階建ての空間が設置してあり、まんなかに白ぼけたハープシコードが置いてあり、そのまわりに羊とかのぬいぐるみがころがしてある。おじさん風なこのキーボード奏者だけがこの天井そばの空間に入ることができ、そこで自分のキーボードを弾く。おしりに折りたたみの椅子がくっついたまま歩いてたり、まるで唐十郎とかのテント劇場に出てきそうなキャラクター。
天井そばの空間についてどういう意味があるんだろうとずっと考えてたけれど、どうでもよくなった。たとえばリボンを取り合うところがストッキングだったり、だいたい演出全体がコメディタッチで、たぶんこれもクラッシック界における解体作業なんだろうと。
キーボード奏者は一回だけハープシコードを弾くんだな。
そのときモーツアルトを見た気がした。
ウィキペディアを見たら、初演は1786年パリだそう。