投射


水の鏡に映るモミジとモミジの両方を見る、ということ。



Photo by H.Katayanagy


水に映っているモミジを見て、振り返り、仰ぎ見ると、そこにモミジ。
水に映っている自分を見て、振り返り、仰ぎ見ても、そこに自分はいない。
それがたとえ、対象の投射であろうとも、
それを見て、振り返ることで、
こんどは対象そのものをもう一回見直すことだってできる。
過去だってまるで対象のように、見て、聴いて、そして触れる。
過去の写った水の鏡を見て(投射)、
過去そのものを振り返る(対象そのもの)。
自分の過去が、自分でありながら、自分と違うことのしるし。