第四世界

eireneさんがちょっと前に「無料食堂」について書いておられる。
http://d.hatena.ne.jp/eirene/20050926#p1 9月26日の記事。
小泉義之さんの一節「水飲み場が無料であるのと同じく『無料食堂』が公共の場に設置されるべき」を旧約聖書申命記に照らしての解説。なるほど。

心のレストラン

フランスにはその「無料食堂」がある。
その名も「心のレストラン」。
Les Restos du Cœur
最近のヤフーニュースにも登場、20年を迎えるらしい。
http://fr.news.yahoo.com/050926/202/4lr2u.html
フランス中に2,100のセンターがある。去年の冬には、43,000人のボランティアが、6,700万食*1を63万人に提供している。内容は今日食べるものに困っている人にパンとか野菜とか、あるいはあたたかい食事を無料で提供するというもの。フランスでは約50万の人が毎日、食べるものに困っているという。
1986年、アーティストのコルシュ(Coluche)さんが提唱し設立されたもの。国からの援助と一般の寄付金で運営されている。PEAD*2:Plan Europeén d'Aide au plus démunisを通してさまざまな人権援助団体に援助金が配分されるのだが「心のレストラン」もその団体の一つ*3

日本の自立支援

日本にもホームレス対策法というのが成立して予算が計上されている*4
厚生労働省:平成18年度厚生労働省所管概算要求関係(その他の7.)

自立支援ということでこんな研究もある。
厚生労働省

第四世界 -Quart monde-

表面は繁栄しているが、その社会の底辺にどうしようもない貧困が存在すること。
1954年パリ郊外ノワジー、戦争で家を失った人々がバラック小屋に住んでいた。
人々はどうしようもない状況を、受けられる援助にすがって生きていた。
一人の神父がここに来て、自分たちの力で生きていこうと、
皆を励まし、この窮乏から立ち上がらせる。
第四世界とは彼が名付けの親らしい。
そのムーヴメントがこれ。
Aide à Toute Détresse「あらゆる苦境への援助」の意
http://www.atd-quartmonde.org/accueil-fr.html
第四世界を検索してみると、日本ではだいたい次の二つの用法で言われているみたい。
①上記と同じ意味
カトリック麹町教会の→http://www.ignatius.gr.jp/kyoukai-hou/2005/2005-03.html
メルキゼデクの会1月19日テーマ「第四世界からの神学と霊性」お話:英師
②人類学的な意味合いが強い
このカリキュラム紹介では、第四世界「原住民・先住民」第三世界「途上国」と区分。
http://www.soc.hit-u.ac.jp/curriculum/gs/lecture/browse.cgi?no=431101
ATDムーヴメントについてはもっと調べてみるつもり。

*1:この数は毎年アップしているという。

*2:EU議会の中にあって、EU内の貧困のために2億1600万ユーロが予算に計上されている。東欧が今後この組織に援助を頼むのは間違いなし。団体はそういう状態にあってフランス予算が削られているのに怒る。

*3:近々フランスのPEADの予算4800万ユーロが3800万ユーロに減らされるというので反対抗議。

*4:35億円