永遠の丘、Vezelay

La Basilique St.Marie Madeleine*1にて、朝の祈り

朝、はやく、
澄み切った、静まり返った聖堂に、
光が昇る。
内陣のもっと奥の、その窓、
そこから、
あなたは昇る。
朝の来ない、わたしの座るこの椅子たちが、
あなたの光に照らされてる。
それは、
わたしも同じことなんだよね、光に。
だから、朝が来たね、
だんだんわかってくるってことなのかな。
今日また、誰が、この椅子に座って、見上げるのだろう。
あなたのふところのなかで、
聖堂に飾られた美しい物語*2を見上げるのだね。
天を仰いでるみたいに。

*1:サン・チャゴ・コンポステラへの巡礼の出発点は、フランスには4つの場所があるが、ヴェズレーはその一つ。この巡礼は11世紀頃から本格的になる。それ以前は、もっと素朴な小さな観想修道院があったのだが、マグダラのマリアの聖遺物が見つかり、奇跡も起き始めたということで、十字軍の時代には多くの人々がここにお参りに来たことから、巡礼地としても有名に。

*2:聖堂に入るファサードを始め、柱の一つ一つに旧約・新約聖書の物語が、当時(11−12世紀)の人々の暮らしと共に描かれている。カテケージス(キリスト教信仰を伝えるための教えの方法)の歴史を知るためには非常に貴重である。「悪」の問題に関して、偶像崇拝警告の描き方がものすごくリアルでびっくりした。